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旅と切手と、切手と旅と~kalalokki's memorandum

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ドイツ旅行記 ㉗~Visiting half-timbered houses and Bauhaus designs in Germany - Part 27


ベルリン2日目・DDR切手目当てのフリーマーケット巡りの続きです。


6月17日通りのフリマを後にして再びティーアガルテン駅からSバーンに乗り、昨日も来たフリードリヒシュトラーセ駅で下車してシュプレー川沿いの道を東へと歩いて辿り着いたのが、博物館島前のアンティーク&ブックマーケット

シュプレー川の中州の北側、5つの博物館が連なるエリアは博物館島 Museumsinselと呼ばれており、ユネスコ世界遺産にも登録されているんです。2002年8月ドイツ発行のこの切手には、博物館島の北端のボーデ博物館からベルリン大聖堂までの一帯が精緻に描かれています。


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この初日印が押されたシートは先程の6月17日通りのフリマで見つけて購入したもので、まさに旅と切手と、切手と旅とって感じなんですけど…しかしながらこれらの立派な博物館に収蔵されているタイプの作品にさほど興味がない私は、毎週末この一帯で開催されるアンティーク&ブックマーケットに直行します。

ここのフリマは切手やコイン、古本の店が多いと聞いていたので、目的のブツが見つかることを期待しつつ…と、ここでまた、小雨がパラついてきて嫌な予感が。紙モノを扱うお店は、雨が降ったら店じまいしちゃいますからね。


雨が本降りにならないうちに、掘り出し物が見つかりそうな雰囲気の切手屋さんで物色した結果、目的のブツをいくつか見つけ出すことができましたー!

まずはDDR建国15周年切手の、台紙。

切手自体は15枚全て持っているのですが、この台紙が欲しかったんですよ!台紙っていっても、ぺらっぺらの薄紙でしたけどね~^^;


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台紙に切手も付いているものが€10で売られているとき、切手なしの台紙だけで€5ってちょっと高くない?って思って値切ってみたものの交渉不成立…やむなく妥協しました。因みに、台紙の下に書かれているAuferstanden aus Ruinen...ってのはDDR国歌『廃墟からの復活』の歌詞なのでした。映画『グッバイ、レーニン!』でも流れていましたね。


でもって、手持ちの切手を台紙の上に並べてみたのがコチラ↓

1964年10月発行のDDR建国15周年記念切手は、15周年だけに15枚セットなのですが、様々な職業の労働者が描かれていて流石社会主義国家!な記念切手になってます。

このシリーズ、目打ちなしの切手も発行されていましたが、私は目打ちありバージョンで揃えました。お気に入りは、スキー教官と酪農農家の女性の切手かな。もし日本でこういう切手を発行するとしたら、女性が描かれる職業って何になるでしょうね。


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あとは、いくつかのシリーズの切手たちも。

決してお安くはなかったので本当に欲しかったものだけに絞りましたが、まとめて買えば少しはまけてくれるかと思いきや、ここのお店は一切値切り交渉に応じてくれませんでした…これまでの経験上、切手屋さんってまけてくれる人が多いと思っていたのですが。

チェコの切手屋さんなんて、もともとの値段も安かった上に更に出血大サービスくらいな感じで安くしてくれたんだけどな~。


そうこうしているうちに、嫌な予感的中で雨がザーザー降りになってきてしまい、紙モノを扱うお店はみな店じまいを始めたので私も近くでちょっと雨宿りすることにしました。

そのときちょうど目に留まったのがボーデ博物館内のミュージアムカフェの看板で、博物館の入場券がなくてもカフェには入れると書かれていたのでそこに行ってみることに。入口で強面の警備員さんにカフェを利用したい旨伝えると、ニッコリ微笑んで「どうぞどうぞ」とドアを開けて招き入れてくれました。


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この博物館、イタリアのゴシックやルネッサンス時代の作品を収蔵しているようで、時間にもっと余裕があったらちゃんと見学したかったところですが、今回はカフェで雨宿りするにとどまりました。

ゴージャスな螺旋階段を上って2階にあるカフェに行ってみると、予想以上にステキな空間が広がっていてビックリ!高い天井には美しい天窓がはめこまれていて、隣のテーブルとの間隔もゆとりがあり、かなり寛げます。コーヒーはともかく、ケーキがややパサついてたのが少々残念でしたが…

とはいえ、パリのミュージアムカフェだともっと混雑してますけど、ここはゆったりとした時間が流れていて穴場です!


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ひと息ついて周囲を見渡してみると、カフェの端にミュージアムショップの入口が見えたので、そこにも寄ってみることにしたのですが…これがまた、とても魅力的なミュージアムショップで、雑貨から書籍に至るまでセンスの良い品揃えが印象的でした。

世界各地に様々なタイプのミュージアムショップがありますが、ここにはつまらないものは殆ど置かれていなくて、ポストカード一枚一枚のセレクションにも担当者の美意識の高さが窺えます。

お会計の際に思わず「このショップの品揃えは素晴らしいですね!センスが良くて、とても気に入りました」みたいなことを(英語で)伝えたら、男性スタッフは少し驚いたようで、でも「そんなふうに言っていただけるのは光栄です」と(英語で)答えてくれました^^


ここの書籍コーナーで、平積みにされていた沢山のインゼル文庫 Insel-Bücherei(直訳すると『島図書館』、装丁の美しさゆえフリマや古本屋などでもインゼル文庫コーナーをよく見かけます)を見ているうち、専門家の先生に製本技術を学んでいる従姉に装丁の美しい本をお土産にしたいと考えつき…とはいえ、ドイツ語はわからないので活字ばかりの小説だとつまらないから、イラストや挿絵が多いものがいいなぁと思っていくつか気になったものを手に取って見ていたら、一冊しか残っていなかったこの本に惹かれてしまいました。


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マネッセ写本 Codex Manesseってご存知ですか?

実は私、切手を通じてこの絵に大いに見おぼえがあり、気にはなっていたもののマネッセ写本についての知識が皆無だったもので、それが何なのかわからずにいたのです。

この本を調べればいろんなことが解き明かされるんじゃないかと思えたので、とりあえずお土産として購入し、帰国後従姉に手渡す前にいろいろ検索した結果マネッセ写本にいきついた、という訳です。

マネッセ写本って、日本ではあまり知られてないですよね~。詳しい方がいたらご教授願いたい…ヨーロッパではドイツをはじめ数か国からマネッセ写本の挿絵が切手として発行されているくらい、誰もが普通に知っている存在なんです。

時代も形態も全く違うけど、感覚的には百人一首に近いのかも?そもそも宮廷詩人(ミンネゼンガー)なる職業の存在自体が中世ヨーロッパ独特のものなので、なかなか興味深いですね。


ってことで、マネッセ写本に関しては後日改めて取り上げたいと思っていますが、それとは別にインゼル文庫が切手になっていたのを思い出しました…2000年11月ドイツ発行のこの切手、詩人リルケの生誕125年記念の切手なのですが、インゼル文庫風の装丁でラベル内のタイトルがリルケ(1875-1926は彼の生年~没年)、シリアルナンバーが切手額面(110ペニヒ)、発行元がドイツ(DEUTSCHLAND)、と凝ったデザインになっています。事実、インゼル文庫からリルケの本は多々出版されてきていますが、少なくともこの装丁の本は現在は発行されてはいないようです。


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この装丁で実際にリルケの本が出版されていたのか、それとも切手オリジナルのデザインなのかは不明ですが、ハート柄がラブリーですよね。

そういえば以前、スイス在住の友人とバーゼル旧市街を散策中、とある古本屋さんでインゼル文庫が美しくディスプレイされていたことをはたと思い出しました。その古本屋さんは単なる古本屋ではなく、装丁の美しい古書の販売に特化していて、店内を眺めているだけでうっとりしてしまうのです。


自分用にはブルー Blauというタイトルの、その名の通り青にまつわる詩や絵や小説やエッセイが集められた本を購入しました。青は私のパーソナルカラーなので。

表紙の青いマーブル紙の柄も、私好みです。そして、中を見るとクレーやピカソやモネやシャガールの絵が…


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もっとゆっくりしたかったのですが、時間もないので再び外へ出るとまだ小雨がぱらついていたので、この日のこれ以上のフリマ巡りは断念し、博物館島を突っ切って一路DDR博物館へと向かうことにしました。


途中、ベルリン大聖堂付近で、6月とは思えないほどの寒さに震える私の横をタートルネックのニット+ウールのコート+ロングブーツという真冬の出で立ちの女性が通り過ぎていったのを見て一瞬、私もどこかで厚手のニットを買った方がいいかな~という考えが過りましたが、ここはガマンしてとにかく早くDDR博物館内に入ってしまえ!ということでろくに大聖堂の内部も見学せず…デッサウでテルテンを廻ったときとベルリン2日目のこの日は、ウソみたいに寒くて辛かったー。


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ここでもまた、ベルリンタワーが背景に見えてます。新旧モニュメントの競演、といったところでしょうか。

2005年2月ドイツ発行のベルリン大聖堂建立100年記念の切手はクラシカルなテイストで、さすがにタワーは見えないですけどね。


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ユニークなDDR博物館の見学レポートは、また次回に…



by meewmeew | 2015-04-28 23:34 |

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